2018.04.16

<大学考2018年問題>
独自路線歩む2校の学長に聞く

「パソコンやスマホで授業が受けられる」と話す村岡学長=東京都新宿区の東京通信大で

 春、全国の大学で新年度が始まった。本格的な人口減少時代も見据え、独自路線で攻める2校の入学式を取材し、学長に抱負を聞いた。4月に開校し、いつでもスマートフォンで授業が受けられる東京通信大(東京都新宿区)と、学生の2人に1人が留学生という国際色豊かな立命館アジア太平洋大(APU、大分県別府市)だ。

◆「15分授業」ネット配信

東京通信大 村岡洋一学長 

パソコンやスマホさえあれば、好きな時にどこでも授業や試験が受けられる-。人生百年時代とされ、生涯教育の重要性が高まる中、東京通信大は授業を約15分ずつにまとめてネットで配信する通信制大学として開校した。

 情報マネジメントと人間福祉の2学部に872人が入り、9割弱は社会人だ。入学式には、高校卒業直後の十18歳から会社員、主婦、80代まで多彩な顔ぶれが参加。村岡洋一学長(76)は「お年はいろいろな方がいらっしゃいますが、等しく学生。大学は知のジャングル。自由に自分の意志で入って学んでいただきたい」と語り掛けた。

 国の調査で、学び直しの「リカレント教育」を受けたいと考える社会人は3割いる。同大は、学びたくても学べなかった障壁を時間と場所、お金と考え、取り除いた。村岡学長は「隙間時間で学べるのが強み。ネットを使った通信大で、学費を4年間で62万円に抑え、実現させた大学は他にない。この2つの利点をいかせば生き残れる」と自信を見せる。

 「行きたい通信制大の中で学費が最も安く、資格取得のための最小限の通学や実習が地元でできる仕組みもある」と愛知県春日井市の藤枝こずえさん(46)。同県東浦町の戸田華恵さん(19)は「通学が不要で自分の時間を有効に使える。人が多い所が苦手だったり体に障害のあったりする人も平等に講義が受けられる」とネットの学びの利点を語る。“担任”の先生もいて、メールやテレビ電話で相談に応じ、進捗(しんちょく)状況も確認するという。村岡学長は新入生に力強く訴えた。「一番優れたeラーニングの大学を皆さんと目指したい」

◆世界中から留学生を

立命館アジア太平洋大 出口治明学長

「いいね」ポーズで新入生らと写真に納まる出口学長(前列(中))=大分県別府市で

APUは別府湾と高崎山の緑が一望できる山の標高350メートルにある。2000年に開学し、約6000人いる学生の半数が留学生。入学式では美しい民族衣装や着物、スーツ姿の新入生が入り交じる。「世界約90の国や地域から多彩な個性が集まり、まさに若者の国連。これほど多様性にあふれたキャンパスはほかにありません」。公募で選ばれ1月に就任した出口治明学長(69)は胸を張った。

 「世界中のいい学生に来てもらうために分かりやすい指標が必要」と、国際経営、アジア太平洋の両学部共にトップレベルの国際認証を取得。英国の専門誌が先月発表した「THE世界大学ランキング日本版」では国内私立大の5位、西日本の私大で1位に。

 全授業の9割を日本語と英語で開講。学生は留学生との寮生活などで異文化を実体験し、国際社会を生き抜く力を身に付けていくという。「表情や瞳がキラキラしていて力になりたいからと、卒業してマラウイに10年行く学生もいた。日本の将来明るいなあとうれしくなった」と出口学長。

 中京学院大中京高(岐阜県瑞浪市)から進んだ阪本麻鈴さん(18)は「海外の人とたくさん話せて、自分の行動次第で海外留学と変わらず過ごせる」、海陽中等教育学校(愛知県蒲郡市)出身の野村亮太さん(18)は「将来海外で働きたくて、留学生が多くて面白そうなここに来た」と話した。

 今年の志願者数は前年の1.7倍。「人口減少時代でも、とがった面白い大学であり続けさえすれば学生は来る。そのためにはチャレンジのみ。留学生を最低百の国から、最終的には全ての国連加盟国から集めたい」と出口学長は夢を語った。