2025.10.02
多様性専門人材を育成 埼大院
来春開設でイベント ダイバーシティ科学専攻
埼玉大(さいたま市桜区)は来年4月、大学院人文社会科学研究科の修士課程に、多様性について研究、教育する「ダイバーシティ科学専攻」を開設する。9月30日、学内でキックオフイベントがあり、DEI(多様性・公平性・包括性)に精通した人材育成を目指す方針をアピールした。
ダイバーシティ科学は、人種、性別、年齢、障害、文化的背景などの多様性が社会や組織に与える影響を探り、差別や格差ができるメカニズムを解明する新しい学問。これを主専攻とする大学院は日本初という。
ジェンダー、インターセクショナリティ、ケア、クィア、リーダーシップ、災害、生物多様性などの幅広い科目を設置。「理論と実践の往還」をうたい、DEIの専門知識を生かして社会課題を解決するリーダーを育成するという。
定員は1学年10人。入試は一般選抜、社会人選抜、勤務先の推薦を受けて応募する社会人推薦特別選抜の3方式があり、方式によってはDEIに関する小論文を課す。
キックオフイベントは研究者や学生、企業、学校教員ら約120人が参加。ダイバーシティ担当副学長の田代美江子教授は「企業や自治体で、DEIを推進する専門人材のニーズが急速に高まっている。この専攻は社会的要請に答える日本初の挑戦」と意義を説いた。
田代教授と上智大の三浦まり教授との対談もあり、米国でジェンダー平等政策への逆風が起きていることも話題に。坂井貴文学長は「違いを排除の根拠とするのではなく、社会を豊かにする力としてとらえ直し、知識を実践することが今まさに必要だ」と語った。
埼玉大は昨秋にダイバーシティ科学専攻を設置すると発表し、今夏に文部科学省から認可された。工学部には来春、20人の女子枠を新設する。(杉浦正至)
2025年10月2日 東京新聞朝刊 埼玉版
https://www.tokyo-np.co.jp/article/439804