2025.11.25

交流や体験
子どもの自信に 横浜
外国ルーツの生徒ら居場所づくり 「自分らしさみつけ
地域でも活躍を」

外国にルーツを持つ生徒や学生でつくるボランティアグループ「にじいろ探険(たんけん)隊」の活動が8周年を迎えた。横浜市を拠点に同じようなルーツの子どもらの居場所をつくり、趣味などを生かしたイベントを企画。日本語の習得や友だちづくりに悩みがちだった利用者たちが交流や体験を通じて自信を深め、学校や地域の行事に関わるようになるなど、活動の成果が出ている。(西川侑里)
 探険隊は2017年11月に結成。初期メンバーは、市国際交流協会などが「なか国際交流ラウンジ」(中区役所別館)で週1回開く学習支援教室の出身者有志だった。さまざまな言語や文化、価値観を持つ自分たちがなりたい姿を目指し、やってみたいことに飛び込んでいくという思いを込めてグループ名が付けられた。

 社会人になったメンバーらの入れ替えもあり、現在は高校生と大学生の5人で運営する。同ラウンジで、毎週月曜日に「Rainbowスペース」を開いている。利用者は同世代の外国ルーツの中高生が多い。

 今月中旬、中国にルーツがある生徒8人が学校帰りにスペースを訪れ、音楽ゲーム大会に参加した。

 タブレット端末のスクリーン上で音楽に合わせて高速で指を動かし、リズムが外れるなどのミスの少なさを競った。2年ほど前に来日した、中学3年の劉卜源(りゅうぼげん)さん(15)は「音楽ゲームは初めて。難しいけれど楽しかった。いろんな体験ができるから(スペースに)通っている」とはにかんだ。

 大会を企画したのは、今年から探険隊の運営側に加わった、高校1年の臼田祐晨(ゆうしん)さん(16)。趣味の音楽ゲームで「初心者でも楽しめる曲を選んで、ルールを考えられた」と手応えを語った。

 臼田さんも元々はスペースの利用者だ。市内で生まれ育ったが、幼少期から両親との自宅での会話が中国語だったこともあり、以前は自分の日本語に自信が持てず、同級生らに話しかけることができなかった。中学生のころからスペースに通い、自分の意見を伝える練習を積んだ。今秋の高校の文化祭では、クラスの出し物の準備に積極的に関わり、活躍することができたという。

 このスペースでは、イベントの他にも、母国語でのディベート大会や、労働局の職員を招いて日本での勤務について学ぶ機会などが設けられてきた。

 この場所で自信を付けたメンバーや利用者は、ラウンジの職員のつながりで、地元町内会の防災訓練やラジオ体操で通訳・翻訳ボランティアを務めるなど、活動の幅を広げている。

 市国際交流協会の学習支援教室の出身者で、協会のコーディネーターとしてスペースを担当する林錦園(りんきんえん)さん(30)は「外国籍の生徒が集中している地域では、中学校時代は同郷の友人がそろっていても、高校になるとばらばらになって、なかなか学校になじめない若者も多い」と話す。

 「外国にルーツがある若者が、まずはこのスペースを居場所にしながら自分らしさを見つけて、自己表現できるようになり、地域でも活躍できる人材になってほしい」と願っている。

2025年11月25日 東京新聞朝刊 神奈川版
https://www.tokyo-np.co.jp/article/451458