9月中旬から、いよいよ出願スタート!総合型選抜
疑問を解いて、輝く未来に進もう!

まるわかり大学入試!
総合型選抜ガイド

2020年度は、日本の学校教育における大きな転換期を迎えます。大学入学共通テストの導入など大学入試が変容するなか、9月中旬から出願が始まるのが「総合型選抜(旧・AO入試)」です。大手予備校・代々木ゼミナールの川崎武司さんにお話を伺いました。

AO入試から「総合型選抜」へ
求められる「学力の三要素」

 今年度から大学入試の仕組みが変わります。これまでの「一般入試」「推薦入試」「AO(アドミッション・オフィス)入試」は、「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」へと名称が変更され、志願者には“学力の三要素”がバランスよく求められます。来年1月、大学入試センター試験に代わって、大学入学共通テストが導入されるのも、この一環で、思考力・判断力・表現力等を発揮して解く問題が重視されます。

 9月中旬から出願のはじまる「総合型選抜」も同様に変化します。前身のAO入試と変わらず、各大学が求める学生像(アドミッションポリシー:入学者受入方針)に合致することがポイントとなりますが、これまで以上に入学意欲が重要視されます。

 大学入試を分かりやすく説明すると、一般選抜は共通テストや個別試験によって志願者の「現在」の学力が測られ、学校推薦型選抜は調査書を主な資料とし、高校時代の「過去」を評価する入試といえます。そして、総合型選抜は大学が求める学生像と、志願者の「未来」が適合しているかを判定する入試です。

代々木ゼミナール
教育総合研究所
教育情報企画推進室室長
川崎武司さん

志望大学に合わせて
準備と確認を

 志願者の未来を評価する「総合型選抜」では、志望理由書やエントリーシートに基づいて面接を実施し、学びに対する意欲や適性が評価されます。この他に、小論文や口頭試問に加えて学力検査が課されることもあります。

 学力を測る指標として資格・検定試験の成績などを募集要件に加える大学や、大学入学共通テスト・学科試験の点数などを評価する大学もあります。また新型コロナウイルスの影響からオンラインで面接などを行う大学、芸術系の大学であれば、作品を郵送する、楽器の演奏をおさめた動画を送るなどさまざまな方式がとられています。変更点がある大学も多くありますから、しっかりと志望大学の募集要件や評価方法を確認しておきましょう。

総合型選抜に向けて
未来に向けて

 近年の大学入試は“超安全志向”といわれ、AO・推薦入試を利用する志願者は増加し、倍率アップの傾向にあります。大学側もAO入試・推薦入試の募集人員を増やしてきました。グラフ「2018年度入学者選抜・各入試区分の入学者割合」を見ると分かるように、国公立大学と私立大学では少し様相が異なります。国公立大学では入学者の7~8割が一般入試を利用し、AO入試は1割にも満たない状況です。一方の私立大学では1割以上がAO入試を利用しています。

 以前に比べると国公立大学もAO入試を拡大する傾向にあり、今回の「総合型選抜」においても同様の流れになると考えられます。しかし、コロナ禍という不透明な状況も相まってさらに志願者の安全志向が働き、倍率がアップすることが予想されます。そのため、漠然と“総合型選抜を受けよう”と考えるのではなく、志望する大学に合わせてしっかりと準備することが求められます。必要な書類や面接等の対策を徹底するとともに、その大学では何を学び、どんな研究をしたいのか、さらに大学卒業後の将来を見据えることが大切です。その熱意が未来につながります。

2018年度入学者選抜・各入試区分の入学者割合

2018年度入学者選抜・各入試区分の入学者割合
代々木ゼミナール
「ここが変わる!!新・大学入試」より

※文部科学省「大学入学者選抜実施状況」に基づき作成 ※社会人、留学生を対象とする選抜等は含まない
※構成比の合計は100%にならない場合があります。

キミの未来を評価する
「総合型選抜」のポイント!

AO入試学力以外の評価を重視

総合型選抜志願者の表現能力や意欲などの評価を重視

  • 志願者が提出する資料と面接など
  • 学力を測る指標(共通テストや学科試験など)
出願日
9月15日以降
(新型コロナウイルスの影響により)
合格発表
11月1日以降

保護者も必見!
ウィズコロナ時代の大学入試

 コロナ禍によって「総合型選抜」の出願日は当初の9月1日以降から9月15日以降へと後ろ倒しになり、合わせて合格発表も11月以降になっています。そのため、総合型選抜だけに絞るのではなく、平行して、共通テストや一般選抜の準備を進めていくことも大切です。志望大学に入るための入試方法やその変更点を確認しながら、勉学に励んでもらいたいと思っています。また高校1・2年生や、その保護者の方々も現在の状況をしっかりと認識しておくと良いでしょう。オンラインを活用した面接などは今年度だけのイレギュラーケースではなく、ウィズコロナ時代の方式として来年度以降も定着する可能性があるためです。

志望校が母校になる。
代々木ゼミナール
大学入試の変更点を
わかりやすく解説!

ここが変わる!! 新・大学入試