受験シーズン目前!
知っておきたい!
国公立大学 2023
いつの時代も受験生の大きな悩みになるのが、大学選びです。その選択肢の1つとして、国公立大学があります。大手予備校・代々木ゼミナールの木戸葵さんに、国公立大学の魅力や併願に関する注意点などをお聞きしました。
ワンキャンパスから広がるミライ
学費の安さ、また1人の学生に対する教員の数「ST比」の高さなど、国公立大学にはさまざまな魅力があります。その中で、特に国立大学の多くは総合大学であるため、文理の垣根を超え全学生が1つのキャンパスに集まる“ワンキャンパス”の環境が整っています。学部や学年の枠を超えた交流が生まれやすく、自分とは異なる価値観に触れることで、複眼的な視点をもてるようになるのではないでしょうか。加えて、国公立大学はその地域に長く根差していることから、産学官連携の教育やプロジェクトも盛んに行われているため、将来につながる経験が積めるといえます。
近年では、国公立大学の統合が進んでいます。2020年度に名古屋大学と岐阜大学が法人統合、22年度には大阪市立大学と大阪府立大学が統合され、大阪公立大学が誕生しました。24年度には、東京工業大学と東京医科歯科大学が統合することも発表されています。統合によって、それぞれの大学が所有していた研究設備や研究成果が相互に利用できるようになり、新たな学問領域やイノベーションが生まれる土壌が醸成される可能性が高くなります。そのため、学生にとって有益な学びを提供することができると考えられます。
残り約70日!
共通テストまでのスケジュール
国公立大学の最初の関門といえる「大学入学共通テスト」まで、残り約 70 日になりました。この時期になると模試に挑戦する受験生が多くなりますが、たとえ結果が振るわなかったとしても、模試の成績表をフル活用して、苦手科目や自分の弱点を克服するよう努めてください。
また、国公立大学を志望する場合、私立大学などを併願する受験生も多いと思います。併願校を決める際に注意したいのが、試験日程です。たとえば、複数の併願校を受験しようとして、試験日程が連続してしまうと、体力や精神力がすり減ってしまい、志望校の試験で十分に力を発揮できないことがあります。一方で、志望校の試験日より早く試験が行われる併願校を選ぶようにすれば、志望校の試験前に本番の雰囲気に慣れることができます。もちろん、試験日程だけで決めるのではなく、その大学に通うことになったとしても悔いのないよう併願校選びも慎重に行いましょう。不安なく本番に臨めるよう、最後まで諦めずに勉強に取り組んでください。
学費(初年度納付金) | 授業料 | 入学料 |
---|---|---|
国立大学 | 535,800円 | 282,000円 |
公立大学(平均) | 536,363円 | 391,305円 |
私立大学(平均) | 930,943円 | 245,951円 |
※文部科学省「国立私立大学の授業料等の推移」より。国立大学は省令で定められた標準額、公立大学・私立大学は令和3年度。