受験シーズン直前!

未来をひらく、国公立大学

目前に受験シーズンが迫り、受験生は志望大学を決める時期になりました。その選択肢の一つが国公立大学です。大手予備校・代々木ゼミナールの川崎武司さんに国公立大学の現状や入試動向をお聞きしました。

学問領域を横断できる
次世代につながる学びがある

 大学は多様な学部がそろう総合大学と、特定学部に特化した単科大学に分けることができますが、国公立大学、なかでも国立大学の多くは総合大学として、さまざまな学問領域を横断的に学ぶことができます。基礎教養科目なども多く、文系理系を問わずに学修できることが特徴です。公立大学は地域の要請によって設置され、特定分野の人材育成や産学連携から地元企業と良い関係性が築かれることが多くあります。また、志望大学を決める際には学費の面も大きな要因になりますが、周知のように私立大学と比較した場合、国公立大学の方が安いというメリットがあります。

 文系と理系の枠組みを超えた文理融合の学びは、急速に進展する情報化社会のなかで活躍する能力、広い視野から課題を発見し解決する能力などを培うことにつながり、国公立大学のなかには、データサイエンティスト(膨大なデータを解析してビジネスに活用する職業)やアントレプレナー(起業家)などを養成することを目的とした学部を設けている大学もあります。そのため、大学卒業後の自分の将来をイメージしながら、これからの時代に求められる素養を身に付けるために志望大学を選ぶ方法もあります。一方で、「自分はどの分野に進みたいのか」、「何を専門的に研究したいのか」という迷いもあると思いますが、近年の傾向として、間口を広げて受験生を募集する仕組みをもつ大学があります。例えば、「工学部情報学科」で募集をするのではなく「工学部」でひとくくりに募集し、入学後に学生の興味関心に応じて情報学科や物理学科などの専門分野を選ぶ仕組みです。このような仕組みは、特に国公立大学で採用されている傾向にあります。

代々木ゼミナール
教育総合研究所
教育情報企画推進室室長
川崎武司さん
学費(初年度納付金) 授業料 入学料
国立大学 535,800円 282,000円
公立大学(平均) 538,734円 392,391円
私立大学(平均) 904,146円 249,985円

※文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」より。国立大学は省令で定められた標準額、公立大学は令和元年度、私立大学は平成30年度の学費です。

共通テストの志願者動向と
受験勉強のための準備を

 現在、国公立大学を目指す受験生は、来年1月に実施される「大学入学共通テスト/旧・大学入試センター試験」(出願終了)を受験することになります。共通テストの実施後に公表される解答・配点をもとに自己採点を行い、志望する大学に出願し、大学別に実施される2次試験の得点の合計で合否が判定されます。今回の共通テストでは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から長期休校によって学業の遅れもあったとして、現役の受験生に限り、2つの日程から受験日を選択できるようになっていました。第一日程は1月16日・17日、第二日程は1月30日・31日です。しかし、出願者の約53万人のうち99%が第一日程を選択していることが分かっています。やはり第二日程では私立大学や国公立大学の2次試験までの準備時間が足りないと考えたのだと思います。また、共通テストの出願者数は前年比で約4%減になっていますが、これは浪人生の割合が減ったためであり、現役生の出願者数は前年とほぼ変わりはありません。近年、安全志向の高まりから、確実に現役合格を狙う受験生が増えているといわれていますが、浪人生の減少はそれを物語っています。

 さらにコロナ禍の影響から、首都圏ではなく地元の大学を目指す“地元志向”の動きが加速する可能性もあります。学業の遅れも心配されるなか、受験生は授業中にしっかり知識を定着させるために疑問はその場で解決し、確実に理解することが求められます。その上で、入試が近くなれば、知識や思考力をアウトプットするために塾や予備校などで行う模擬試験を受けるなどして、さまざまな問題に触れることも大切です。自分の将来を見据え、志望大学を選び、受験勉強に取り組んでもらいたいと考えています。

志望校が母校になる。
代々木ゼミナール
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