2020.05.18

9月入学導入で入試や就職激化
文科省課題整理、新1年生1・4倍に

新型コロナウイルスの感染拡大による休校長期化を踏まえ、導入是非が検討されている九月入学制について、文部科学省が主要な課題をまとめたことが、関係者への取材で分かった。来年九月に、同四月に小学校に入るはずだった約百万人と、再来年四月に入学予定だった子どもの一部約四十万人が新一年生になると想定。この学年は前後に比べ一・四倍となり、入試や就職が「狭き門」となる他、全学年で卒業が遅れ、企業が人手不足に陥る恐れがあると指摘した。

 影響は社会全体に及び、学校教育法の他、子ども向けの支援を含む生活保護法など、改正が必要な法律は少なくとも三十三本に上ることも判明。社会全体の変革が求められ、大きな財政支出が伴うことが分かった。今後の議論に影響を与えそうだ。

 文部科学省が他省庁からも意見を募り、課題を洗い出した。

2020年5月18日付 中日新聞