2024.06.28

理科大に24時間ジム&レストラン
野田キャンパス、地域に開放

 東京理科大(石川正俊学長)は、地域に開かれた大学を目指して野田市の野田キャンパスのコミュニケーション棟を改修、今月、スマート酪農を支援する同大発のスタートアップ企業が経営するレストランと、24時間営業のフィットネスジムが開業した。6日に完成記念セレモニーが行われた。(林容史)

 コミュニケーション棟の床面積は約1160平方メートルで、2005年から学生食堂やホールとして使われてきた。今回、学生の要望や地域の利便性を踏まえ、改修を進めた。

 レストラン「トラットリア ドマドマ」(106席)は、21年に設立した「CowTech」が経営する。人工知能(AI)を活用して、酪農の生産性アップと労働力不足解消に取り組む。畜産デジタルトランスフォーメーション(DX)の実験で連携する鹿児島県や宮崎県の酪農家の黒毛和牛を使ったハンバーグステーキ、地元で作られた有機野菜やパン、スイーツなどを売りにする。

 ジムは「Fast Fitness Japan」(東京都新宿区)が経営する「エニタイムフィットネス」が入居。国内で1132店舗を展開しており(3月末現在)、県内では73店舗目になる。大学構内で民間のジムが営業するのは国内初という。最新のトレーニング機材をそろえ、午前10時~午後7時にはトレーニングをサポートするスタッフが常駐する。

 セレモニーでは、同大の兵庫明常務理事が「野田、流山両市と包括連携協定を結び、地域との結び付きを深めてきた。今まで以上に地域に開かれ、親しまれるキャンパスにしたい」と抱負を述べた。

 「CowTech」を創業した同大の大和田勇人教授は「技術の提供だけでなく、生産したものを仕入れ、消費者に提供して6次産業化を目指す」と宣言。

 Fast Fitness Japanの相羽隆宏直営事業統括部長は「教職員や学生、住民の健康寿命を伸ばしたい。大学と住民の協働によるまちづくりの橋渡しができれば」と話した。

 数理科学科3年でチアリーディング部の本田俊成さん(20)は「内装がクール。朝や講義の合間に筋トレができて便利。学割も助かる」と歓迎していた。

2024年6月22日 東京新聞朝刊千葉版

https://www.tokyo-np.co.jp/article/335286