2024.11.19

中華料理店3代目は千葉商大生

◆正門前で今月から営業再開
 4年の芹沢さん 卒業後は在校生に託す

 千葉商科大(市川市国府台(こうのだい))の正門前で、約2年間営業を休止していた中華料理店「萬来軒(ばんらいけん)」を、同大商経学部4年の芹沢孟(たかし)さん(22)が引き継ぎ、今月から再開させた。芹沢さんは来年春に卒業し、就職先も決まっている。店舗は2代にわたる店主が67年間守ってきただけに、「この5カ月間で100年続く店にするための基礎を固めたい」と話し、卒業後は在校生に託すことにしている。

 萬来軒は同大の学生のほか、近隣に飲食店が少ないことから、地元住民に親しまれてきた。2代目の店主の体調不良により、2年ほど前から営業を停止。そこに芹沢さんが手を挙げた。

 キャンパス内で在校生が経営する「学生ベンチャー食堂」に、2021年11月から23年1月まで携わった芹沢さん。同年春からは1年間休学し、台湾の財団で、貧しい子どもたちを支援するボランティア活動に励んだ。「台湾は1日3食とも外食する習慣が根付いている。貧困対策として、安くすむ自宅での調理を呼びかけた」という。

 今年8月以降は、親子2代続いた店主から店の味を引き継ぎ、大学職員らに試食してもらうことで、味を再現させた。オリジナルメニュー「海老味噌(みそ)ラーメン」なども加えた。店舗の経営のため自らも出資して9月には株式会社を設立。同じ大学の学生を募ってやりくりし、芹沢さんは「会社や店舗経営など、いろんなことを学んでほしい」と話す。

 メニューはラーメン、チャーハン、ギョーザ、蒸し鶏、唐揚げ、肉野菜炒めなど。アルコールを含めたドリンクも提供する。開店に向け、ガス器具などの入れ替えや店内壁紙の張り替えなども行った。

 営業時間は平日のランチが午前11時半~午後2時、ディナーが同5~8時。座席数は24。(保母哲)

2024年11月14日 東京新聞朝刊千葉版