2020.04.15

<新型コロナ>予備校、塾
オンラインで支援
休校拡大「学びの場提供したい」

新型コロナウイルス感染拡大防止のため多くの学校で休校が続く中、大手の予備校や塾でも、政府の緊急事態宣言の対象地域にある校舎で休校の動きが広がる。パソコンを使った自宅での動画学習に切り替えたり、双方向型のオンラインで実施したりするなど、志望校の受験を目指す子どもたちを支援。担当者は「できる限り学びの場は提供したい」と早期の事態収束を願った。

 東進ハイスクールや東進衛星予備校はもともと、動画による学習が中心。普段は自宅よりも集中できるとして、各地の校舎に来て学ぶ生徒が多いが、八日からは緊急事態宣言の対象になった七都府県にある校舎で授業を受けられないようにし、自宅などでの受講に一本化する。

 さらに来週をめどに、授業の動画を一般にも無料で公開する方針。九十分授業が五回で一講座となっており、五月末まで二講座分を選ぶことができる。担当者は「この大変な時をみんなで乗り越えたい」と説明した。

 駿台予備学校や河合塾、代々木ゼミナールも八日以降、緊急事態宣言の対象となる地域などで対面での授業を全て取りやめ、自宅での動画視聴に切り替える。校舎での授業再開は五月七日以降を予定しているという。

 首都圏を中心に展開する進学塾サピックスは動画の作成を進めている。生徒には教材を郵送するなどした上で、動画によって学習をフォローしていく方針だ。

 双方向型のオンライン授業を実施するのは早稲田アカデミー。無料でも使えるビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使い、小学三年生から高校三年生を対象に授業を実施する。担当者は「普段の授業と極力同じようにしたい。子会社のあるニューヨークとロンドンでは三月から行っており、日本でもできると感じている」と説明している。

 少人数指導や個別指導の形態で展開する「関塾」は、時間割などを調整し、子ども同士の接触をできるだけ避けるようにした上で、開校を続けることも検討する。担当者は「具体的な要請内容が分からず、実際にどうなるかは未定だ」と述べた。

2020年4月8日付 東京新聞 夕刊