2023.04.10

生物多様性の保全支援
東邦大
印西市と連携協定

◆未来は変わる ちばのSDGs

 印西市と東邦大学は「生物多様性保全の連携協力に関する協定」を結び、市内の豊かな自然をともに守っていくことで合意した。習志野キャンパス(船橋市)の理学部が主体になり、教職員や学生が専門性を生かして、絶滅危惧種の動植物が生息する環境を生かした街づくりを支援する。

 印西市役所で、板倉正直市長と高松研学長が二月二十一日、書面にそれぞれ署名を書き入れ、協定を交わした。同大の研究者らが市内で動植物の生息調査に取り組み、存続させる施策や、在来種の共存環境に配慮した開発手法などを、市に提言することを期待する。

 理学部の下野綾子准教授(植物生態学)によると、教職員や学部生らは、二〇〇一年ごろから市西部の武西地区の里山で、市民団体と協力し、生物調査や環境保全活動を進めてきた。「生物多様性の保全は、国立公園などに限定されず、身近な場でも重要視されるようになっている」と、協定締結の背景を説明する。

 市内には、哺乳類ではアナグマ、鳥類ではクイナ、植物ではオミナエシといった絶滅危惧種が四十種類ほど生息。一方、外来生物は二〇〇二年当時と比べ、二一年におよそ二倍の二百種類以上が確認されているといい、外来種の増殖を抑えることも、協定の目的だ。

 同大は七日、同様の協定を白井市とも締結する予定。(堀場達)

2023年3月2日 東京新聞朝刊千葉版

https://www.tokyo-np.co.jp/article/234078