2023.04.10

敬愛大、千葉敬愛短大と市が包括連携協定締結

◆勝浦への移住促進へ「人づくり」

 敬愛大と千葉敬愛短期大は、勝浦市と包括連携協定を結んだ。両校が幼児や小学校教育の人材養成で実績を残していることを踏まえ、照川由美子市長は「移住促進につながる人づくりの面で協力したい」と期待を寄せた。

 千葉市稲毛区の同大で締結式が二十四日にあり、中山幸夫学長と明石要一短大学長、照川市長がそれぞれ署名した協定書面を交わした。同短大卒業生で、小学校教諭を長く務めた照川市長は「四十年間に人口が一万人減り、少子高齢化が顕著。安心して子どもを育てられる街づくりを進める」と協定の目的を説明した。

 同大は経済学部、国際学部に加え、高評価を受けてきた短大の小学校教育分野を引き継ぎ、教育学部を三年前に発足させた。短大は保育士養成などの幼児教育に重点を置く。中山学長は今春の卒業生で教員となった四十九人のうち、四十二人が県内で勤務するデータを挙げ「地元の人材を育てている」と強調。

 連携内容の具体策は今後詰めていくが、照川市長は「第一に保育の質を高める」、明石学長は「学部生や短大生が、勝浦のサマースクールをボランティアで手伝うことは、すぐに取り組める」と話した。

 照川市長によると、都心の小学生を勝浦に呼び、夏季や冬季に市内の児童と一緒に過ごさせる試みに力を入れており、同年代の仲間が少ない地元の子にとっても交流を広げるメリットがあるという。(堀場達)

2023年3月29日 東京新聞朝刊千葉版

https://www.tokyo-np.co.jp/article/240792