2025.05.18

株式会社「千葉大学コネクト」設立 産・官・学をつなぐ
革新のエンジンに 人材育成センターも

千葉大学は、産・官・学をつないでイノベーションを推進する株式会社「千葉大学コネクト」と、社会課題の解決に挑戦する人材を育てる「アントレプレナーシップセンター」を、千葉市の西千葉キャンパスIMO棟に設立した。(小川直人)
 千葉大学コネクトは、大学初の完全子会社で4月1日設立。医学や園芸、理工など大学の強みを生かし、民間や自治体との連携事業を企画・提案する。共同研究者への大学施設の貸し出しや社会人向けのセミナー、デザイン関連のコンサルティングも行う。

 大学として民間などとの連携は進めてきたが、株式会社化によって事業の大型化や加速化が図れ、柔軟な人材の確保も可能になるという。西千葉キャンパスで4月24日にあった記者会見で山本智久社長は「大学側からより積極的に連携を働きかけたい」と話した。

 「アントレプレナーシップセンター」は、課題解決の力や起業家精神を持って新しい価値の創造に挑戦する人材の育成を目指す。理科系や文科系の分野を越えた学生の参加を呼びかけるという。片桐大輔事業統括は「イノベーションのエンジンとなる千葉大学コネクトの事業に学生たちに関わってもらうこともあるだろう」と連携を強調した。

 横手幸太郎学長は「本学の強みは学術の力で命や環境を守る研究だ。最終的にそれらの成果を社会に還元することが大切で、新たな組織が重要な役割を果たすはずだ」と期待した。

2025年5月18日 東京新聞 朝刊 千葉版
https://www.tokyo-np.co.jp/article/405578