2025.06.28

2025年
戦後80年 東京外大が歴史探訪 調布飛行場の戦禍語り継ぐ 学生や住民ら約50人参加

東京外国語大(府中市)は戦後80年の節目に合わせ、戦時中に旧日本陸軍が首都防衛の拠点とした、大学に隣接する旧調布飛行場や、周辺の三鷹市などの戦跡を巡るツアーを開いた。(長竹祐子)
 ツアーは、大学周辺の歴史を知り、戦禍を語り継いでいってもらおうと、同大アジア・アフリカ言語文化研究所の荒川慎太郎教授が企画。2回開催され、留学生を含む同大の学生や卒業生、一般参加者ら計約50人が参加した。

 参加者らは戦時中、戦闘機を米軍の空襲から守るために使われたコンクリート製の格納施設「掩体壕(えんたいごう)」大沢1・2号や、調布飛行場旧正門の門柱などを見学。飛行場を見下ろす高台に設けられた高射砲陣地跡などを訪れた。

 高射砲陣地跡では、荒川教授が、今も残る円形の台座の前で「日本軍はここから対空砲火で米軍機に応戦し、犠牲者も出た」などと解説した。

 調布飛行場には戦時中、戦闘機「飛燕(ひえん)」を中心とした陸軍防空部隊が配置され、米爆撃機B29を迎え撃った。特攻隊の訓練や鹿児島県の知覧基地への中継地としても使われた。荒川教授によると、東京外国語大の敷地もかつて調布飛行場の一部だったという。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/415026
2025年6月28日付 東京新聞 朝刊 都心版