2024.12.18

教習中に心肺停止の教官を救命
横浜市立大生に自動車学校が感謝状

 車の仮免許で路上教習中、心肺停止状態になった60代の指導教官を適切な処置で救命したとして、横浜市立大1年大畑颯梧(そうご)さん(19)に22日、愛知県豊川市の自動車学校の運営会社から感謝状が贈られた。

 実家のある豊川市のユタカ豊川自動車学校に通っていた大畑さんは9月13日の路上教習中、助手席の教官の異変に気付いた。ぐったりしたまま呼び掛けにも応じなかったため、路肩に車を止めてスマートフォンで119番し、救急隊が到着するまで心臓マッサージを続けた。2日前に学科教習で応急救護を学んでいた知識が生きた。

 大畑さんは緊急通報の電話番号をすぐに思い出せず、スマホで調べるなど「焦りと不安でパニックになった」と当時の状況を説明。教官が1週間ほどで集中治療室(ICU)を出て、リハビリに励んでいると伝えられると「やった措置が正解だったのかと不安だったが、ほっとした」と話した。心肺蘇生を実践したのは初めてで、「講義をしっかり受ける大切さを知った」とも語った。

 市立大金沢八景キャンパス(横浜市金沢区)を訪れ、感謝状を渡した運営会社の大塩啓太郎社長は「社員の命を助けていただき、言葉で表せない感謝」と述べた。呼吸が荒くなった教官に大畑さんが「大丈夫ですか」と何度も声を掛け、消防との電話で質問に的確に答えた様子を記録した教習車のドライブレコーダーの映像は、社内研修などで活用していく。(神谷円香)

2024年11月25日 東京新聞朝刊横神版

https://www.tokyo-np.co.jp/article/369192