2018.04.04
アウェーに身を置き問題意識を
大学ジャーナリスト・山内さんに聞く
2020年度から「大学入試センター試験」に代わる「大学入学共通テスト」が導入され、22年度には高校の学習指導要領も変わる。これからの高校生に求められる力とは。「高大接続改革」などの著書がある大学ジャーナリストの山内太地(たいじ)さん(40)に聞いた。
今まで高校では誰かが答えを見つけた問題の解き方を教わり、テストで良い点を取れば評価された。でもそれではグローバル化に対応できる人は育たない。大学では「もっと飛行機を安全に飛ばすにはどうしたらいいか」や「治らない病気の薬をどう作るのか」など答えのない問題に挑む。難関大に受かったからといって、黙って授業を受けていれば大企業に就職できるという発想では、何者にもなれない。
何となく進学を考えている人は、自分が今後の人生で課題にぶつかったときに解決する力を身に付けるには、どんな大学で何を学べばいいのか、問題意識を持ってほしい。そのためにはどうしたらいいか。例えば、乳幼児の死亡率の高い国を訪れる。それを解決するために、自分が学ぶべき学問を考え、目指す職業が見つかるかもしれない。居心地のいいところにいる限りは問題意識を持つことが難しい。本拠地ではない「アウェー」に身を置くことも大切だ。
2018年3月11日付中日新聞朝刊