2020.05.26

いわきを元気にしよう
桜美林大生が授業でプラン

オンライン講義をする城南信金の川本恭治理事長

東日本大震災以降、観光客が戻らず、コロナ禍が追い打ちをかける福島県いわき市を元気にしたい-。同市と連携協定を結んでいる城南信用金庫(東京都品川区)の呼び掛けで、桜美林大(東京都町田市)の学生が授業でいわき市を活性化させるアイデアを考え、十一月に発表する。

 授業は「ビジネス演習(地域活性化ビジネス)」で、十三日から始まった。いわき市の歴史や暮らし、産業、観光資源などを学ぶとともに、学生自らが現地を訪れ、調査も行う。それらを踏まえて、最後の授業で活性化に向けたプランやアイデアをグループで提案し、発表する。

 いわき市は東日本大震災や東京電力福島第一原発事故、昨年の台風19号被害、さらに新型コロナウイルスの感染拡大によって観光客が減少し、主要産業である観光業が厳しい状況に陥っている。大学生の力を借りて事態を打開しようと、城南信金が連携協定を結んでいる桜美林大に寄付講座の開設を提案した。

 初回の講師になった城南信金の川本恭治理事長はオンラインの講義で「このままでは、いわき市の地域経済がだめになってしまう。学生の皆さんの自由な発想で、活気ある街にする方法を研究してほしい。そして、今回の産・官・学連携の取り組みが苦境に立つ地方都市の活性化のモデルケースになればと思う」と述べた。

2020年5月26日付 東京新聞