2022.10.25
アートで浦安の魅力アップ 東京芸大と連携
◆内田市長と日比野学長対談
浦安市と東京芸術大学がアート(芸術)を通じて連携・協力することになり、内田悦嗣市長と日比野克彦学長のトークが市内で行われた。浦安の魅力アップと課題解決を目指した「浦安アートプロジェクト」を進めるためで、トークはキックオフイベントとして開催。日比野さんは「このプロジェクトの基本は人。それぞれが持っている力が大切になる」などと語った。
キックオフイベントは三日、浦安市民プラザで行われた。日比野さんは参加した市民約百五十人に白色のA4判の紙を配布し、それぞれ穴を開けてもらった結果、さまざまな形になったと指摘。「同じものは一つとしてなく、違うことこそ面白い」。さらに「他人との違いを認めることは、争いがなくなることにつながると思う」とアートの魅力を説いた。
初年度である本年度の活動としては、市内の排水機場の装飾や、芸大生が授業の一環で映像作品の制作に取り組むという。
浦安での活動を「浦芸」とも呼ぶ日比野さんは、全国各地でアートと生活をつなぐ活動を行っている。浦安市と連携した理由として、東京都心に近接し、埋め立て地が多いことなどを挙げながら「特徴のあるまち」と述べた。
トークイベント後の取材で、今後の活動内容について「希望する浦安市民が(人とアートをつなぐ)アートコミュニケーター的な存在になり、さまざまなアイデアを出しながら活動していくことになると思う」と見通した。
また、内田市長は浦安の特徴として、市域の約四分の三が埋め立て地で、農地がないことや、現在は若年層が多いものの今後高齢化が進むことなどに触れつつ「成熟期を迎えるまちづくりとして、アートを取り入れたい」と説明。各地で芸術祭などが開催されているものの「浦安で芸術祭を開くことは考えていない。市民らとの共創やまちの活力を高めるために、アートを取り入れたい」などと述べた。(保母哲)
2022年9月8日 東京新聞朝刊千葉版