2023.04.06
中央大
都心に3キャンパス開校
◆茗荷谷、駿河台、小石川
「回帰ではなく都心展開」
中央大は四月、茗荷谷(文京区)、駿河台(千代田区)、小石川(文京区)の三つのキャンパスを開校する。合同開校式が三十日、茗荷谷キャンパスであった。少子化に伴う学生獲得競争の激化で、私大を中心にキャンパスを都心に戻す動きが活発だ。河合久学長は原点が都心にあることに触れ「レガシーに依存する『都心回帰』ではなく、発展を期する『都心展開』というにふさわしい」と述べた。(浜崎陽介)
茗荷谷キャンパスは多摩キャンパス(八王子市)から法学部と大学院法学研究科が移転。四月から約六千人の学生が学ぶ。
中央大の前身である英吉利(イギリス)法律学校の赤レンガ造り校舎をモチーフにした地上八階、地下二階建ての学舎で、吹き抜けのエントランスが目を引く。食堂や図書室は英国の法曹院「ミドル・テンプル」のクラシックなデザインを反映させた。
地域に根差したキャンパスも目指しており、区営の未就学児一時預かり施設や区民相談窓口、郵便局、保育園なども入っている。
駿河台キャンパスは二十階建て。駿河台記念館を建て替えた。専門職大学院の法務研究科(ロースクール)と戦略経営研究科(ビジネススクール)が都内の別キャンパスから移る。茗荷谷から地下鉄で三駅で教員の相互授業も可能だ。小石川キャンパスは体育館などがあり、体育やサークルに利用される。都心の理工学部などとの連携で総合大の強みを生かしたいという。
中央大は一九七八(昭和五十三)年に多摩キャンパスを開校し文系学部を都心から移したが、今回、看板学部の移転に踏み切った。
受け入れ自治体側の期待は大きい。「これほどの規模で大学と行政施設が並存する形は本区としても初めて」と文京区の成沢広修区長。「大学と地域の活性化につながっていくと確信している」と述べた。
2023年3月31日 東京新聞朝刊山手版・多武版