2023.04.10

25年4月実施
改革概要
埼玉県立大院の定員増へ

◆高度なカリキュラムを

 保健や医療、福祉分野の人材養成に取り組む埼玉県立大(越谷市)は二十日、二〇二五年四月から実施する改革の概要を発表した。大学院では定員を増やし、学生の進路に適した教育を充実させる。

 博士前期課程(二年間)は定員を二十人から三十八人に増加。看護学、リハビリテーション学、健康福祉科学の専修ごとに高度なカリキュラムを設け、卒業後に看護師や理学療法士、社会福祉士などとして活躍できるようにする。博士後期課程(三年間)の定員も六人から八人に増やす。

 合わせて、自治体で働く保健師や福祉職員らが対象の「保健医療福祉政策プログラム」も創設。半年~一年間ほどの期間で、医療や介護データの調査分析の手法や、地域包括ケアシステムの構築に向けた計画策定など、施策の企画立案に必要な知識をオンラインで学べるようにするという。

 学部でも、保健医療分野での調査や統計分析といった情報教育の充実を図る。短大が減っていることを受け、大学三年生からの編入学制度は定員を減らす。

 県庁で会見した県立大の伊藤善典(よしのり)副学長は「保健医療福祉の現場では課題が多様化、高度化しており、大学院進学や社会人の学び直しのニーズが増えている。学びの機会を提供し、卒業後に県内で活躍してもらいたい」と改革の狙いを語った。(杉原雄介)

2023年3月21日 東京新聞朝刊埼玉版