2023.08.16

夏の胃腸守る
薬膳スープ
大慶堂と日本薬科大
共同開発

 漢方薬局を運営する「大慶堂」(深谷市)と日本薬科大(伊奈町)が、薬膳スープを共同開発した。夏ばてしやすい時期にも胃腸の調子を整えてほしいと生薬を配合し、料理にも使いやすい濃縮タイプ。大慶堂の大谷まり子社長は「体調不良に悩まされている人はもちろん、これからを担う若い人にも味わってもらいたい」と話している。

 大慶堂はカフェも運営し、ミネラル豊富なカキのだしで、じっくり煮込んだ根菜のうま味が特徴の薬膳スープが人気を集める。二〇二〇年、コロナ禍で一時閉店した時期に常連客から「飲みたい」との声が上がり、自宅で味わってもらえるようレトルトパウチなどでの常温提供ができないか、日本薬科大へ相談。同大学には食品会社などとコラボ事業を重ねてきた実績があった。

 大学の漢方薬学専門教員との協議で、地域特産で甘みの強い西洋ネギ「深谷リーキ」や胃腸を整える作用のあるみかんの皮などの生薬を入れた試作品が完成。「夏ばてしないよう子どもにも飲んでほしい」との大慶堂の願いから、同大学と交流のある市内の正智深谷高校(深谷市)のバスケットボール部員にも試飲に参加してもらった。すると「まずい!」と正直な感想が。

 改良を重ね、しいたけやカキの量を増やすなど調整し、今年二月に完成。添加物は入れていないが、しょうゆのように香ばしく感じられる。部員らからも「おいしい」と太鼓判がもらえた。

 スープはパウチ袋入りで、大慶堂のオンラインショップやカフェ、各店舗などで販売している。税込み千五十三円。(浅野有紀)

2023年7月26日 東京新聞朝刊埼玉版

https://www.tokyo-np.co.jp/article/265481