2024.12.10
丈夫に変身「ふれあい橋」 草加の木橋
ものつくり大生
修繕
◆防水性高め長寿命化
草加市が管理する木橋を、ものつくり大(行田市)の学生らが修繕した。同市中根の谷古田用水に架かる橋で、29日に記念式典が開かれ、住民らが生まれ変わった橋の渡り初めをした。
学生の実習などを目的に市と同大が5月に結んだ「木橋リノベーション事業に関する基本協定」に基づく。木橋は長さ、幅ともに3メートルほど。供用開始から30年が経過し、老朽化が課題だった。技能工芸学部建設学科の大垣賀津雄教授(63)、芝沼健太講師(36)の研究室で学ぶ20人が7月から修繕を始めた。
まだ使える部材は再利用し、劣化が進んだものは新設した。欄干の最上部の「笠木」は新設した上で炭素繊維シートを張って防水性を高めるなど橋の長寿命化にも気を配った。10月に作業が終了。今月、元の場所に架けられた。もともと「無名橋88」と無味乾燥な名称しかなかったが、地元町会の提案で「中根ふれあい橋」と名付けられた。
式典には住民ら約50人が出席。山川百合子市長は「風情が損なわれておらず、橋そのものや景観への配慮が感じられる素晴らしい出来栄え」と学生らに感謝した。ものつくり大の国分泰雄学長は「今後も市と連携したい」と話した。
地元の町会長で市町会連合会の会長も務める榎本武彦さん(77)は「これからも大事に利用していきたい」と笑顔。学生たちのまとめ役だった4年の鹿倉蓮さん(22)は「少しくらい乱暴に扱っても問題ないように造った」と胸を張り、「長く使ってもらえたら」とほほ笑んだ。
市とものつくり大は今後、同協定に基づき、市内3カ所の橋を修繕する予定。
2024年11月30日 東京新聞朝刊埼玉版
https://www.tokyo-np.co.jp/article/370584