2024.12.27

「将来は地元に恩返ししたい」 「地域枠奨学金」19人 埼玉医科大生が抱負

 地域医療を充実させるための県の奨学金を受けている埼玉医科大(毛呂山町)の学生が23日、さいたま市浦和区の知事公館を訪れ、大野元裕知事に「医師不足の地域の医療に貢献したい」などと抱負を述べた。

 県は医師の偏在解消のため「地域枠医学生奨学金」として、8大学の医学生に大学卒業まで月に最大20万円を貸与している。卒業後に県内の医師不足地域か、小児科、産科、救命救急センターで9年間勤務すると返還が免除される。

 この奨学金を受けている1年生19人を代表し、僧明日香さんが「優れた臨床医として埼玉県の医療に貢献したい」、高橋直暉さんは「将来は生まれ育った地元に恩返ししたい」とそれぞれ決意表明した。

 産婦人科志望という柿崎里弥(りね)さんは、奨学金を全て学費に充て、塾講師と家庭教師のアルバイトを掛け持ち中。「まじめに勉強を頑張り、人の心に寄り添って安心感を与えられる医師になりたい」と意気込んだ。

 県医療人材課によると、奨学金は2010年度に創設され、これまで341人に貸与。貸与を終えた126人の大半が県内の対象医療機関で勤務しているという。(杉浦正至)

2024年12月24日 東京新聞朝刊埼玉版