2025.02.07
生理のリアル
みんなで知ろう 国際女性デーに展示開催へ
横国大生とフェリス大生タッグ
◆男性も会議参加「実生活の状況伝わる内容に」
横浜国立大(横浜市保土ケ谷区)とフェリス女学院大(同市泉区)の学生らが、女性の生理をテーマにした展示を横国大で開くため、準備を進めている。3月8日の「国際女性デー」を含む週の開催実施を目標としている。(志村彰太)
2023年度、横国大はダイバーシティー(多様性)とインクルージョン(包摂)をテーマにした「D&I教育研究実践センター」を、フェリス女学院大は性の多様性を啓発する「ジェンダースタディーズセンター(GEM)」をそれぞれ学内に設立。ともに「多様性」に重点を置いた教育活動に力を入れている。両大学は昨年10月に連携協定を締結し、展示開催は協定に基づく最初の取り組みとなる。
横国大の教員らは同月、GEMが外部団体の協力を得て開いた「生理の歴史展」を視察。生理が社会的にどう扱われてきたのかを解説するパネルに加え、生理ナプキンに女性器をかたどった刺しゅうを施したアート作品などが展示されていた。「生理に関する正しい理解を深めるきっかけにしたい」と、横国大側が共同開催を打診した。
横国大は多様性などをテーマにした講義を受ける学生の有志4人(男性2人、女性2人)、フェリス女学院大はGEMの学生スタッフ10人程度が参加。先月26日にはウェブ会議が開かれ、ともに横国大2年の井上歩美さんと頭島(かしらじま)壮汰さん、フェリス女学院大4年の古谷絵里子さん、同3年の程亜(ていあ)さんが議論した。
井上さんは「女性同士でも信頼関係がないと生理の話はできない」、頭島さんは「男性としても、どの程度踏み込んで触れて良いものか迷う」と話した。その上で、来年の展示には男性客も多く来る可能性があり、性別に関係なく引き込める内容を巡り、フェリス側に助言を求めた。
これに対し、程さんは「月経は普通の生理現象で、恥ずかしいことは何もない」と、公に語ることがタブー視されている現状に疑問を呈した。その上で、「どういう目的で、どういう課題を解決したいのかをまず設定すべきだ」と、横国大の中で課題や狙いを整理するよう助言した。「男性の視点が重要」という認識では一致した。
今後、両大学の学生は交流を深めながら、3月の本番に向けて企画内容を詰める。程さんは取材に「当事者でなくても生理のことを理解してもらう展示にしてほしい」と期待を込めた。井上さんは「知識偏重にならず、女性が生理期間中にどう過ごしているのかなど実生活の状況を知るようなものにしたい」と語った。頭島さんは「所属する学部や家庭環境によって認識が異なるので、広く訴えかけられる方法を考えたい」と話した。
2025年1月16日 東京新聞朝刊横神版
https://www.tokyo-np.co.jp/article/379103