2023.07.14

楽しく笑顔でポーズ! 障害児モデル撮影会
中野の東京工芸大

 障害のあるキッズモデルの撮影会が今月、東京工芸大中野キャンパス(中野区)で開かれた。写真を学ぶ大学生が優しく声をかけながら、子どもたちからとびきりの笑顔を引き出していた。(水谷孝司)

 同大が日本初の写真専門の高等教育機関として前身の専門学校が創設されてから今年で百年を迎えるのを記念した「100の笑顔」と題する企画。障害者を身近に見える存在とし、障害があっても堂々と生きられる社会を目指す障害児モデルのマネジメント会社「華ひらく」(新宿区)と協力して実施した。

 撮影会は三日と二十四日に行われ、キッズモデル計二十二人が参加。主に写真学科の学生約三十人が撮影した。

 発達障害や知的障害がある子もいて、慣れない環境から長時間の撮影ができるか心配する保護者もいたが、始まってみると「できるよ!」「もっと撮って」と喜んでポーズを決める子が多かった。二十四日に参加した千葉県茂原市の渡辺大翔(やまと)くん(8つ)は撮ったばかりの写真を見ては「かっこいい!」「すごいすごい」と大はしゃぎ。最後は家族そろっての撮影になった。

 撮影した写真学科四年の中山聖来(せいら)さん(22)は「声を大きく、ジェスチャーをはっきりさせて、コミュニケーションに気を付けて笑顔のシーンを撮影できました。最初は子どもとのかかわり方も分かりませんでしたが、いい経験になりました」と話した。

 「華ひらく」の内木美樹さんは、企業広告などのモデルとしての潜在能力に自信を深めたという。「家庭や学校という狭い世界から子どもたちが社会に一歩踏み出し、障害者を広く知ってもらうことにつながれば」と語った。

 撮影写真から厳選した百点が九月に大学六号館ギャラリーで、十一~十二月は都写真美術館で展示される。

2023年6月30日 東京新聞朝刊

https://www.tokyo-np.co.jp/article/259918