2023.04.10
千葉商大生
鎌ケ谷の活性化策調査
◆映像などで魅力紹介
「買い物難民」発生の課題も指摘
千葉商科大学(市川市)政策情報学部の学生が、鎌ケ谷市の活性化策を考える「鎌ケ谷プロモーションDAY!!」が、市内の南部公民館であった。壁面を利用し、鎌ケ谷にちなんだ風景も織り交ぜたプロジェクションマッピングや、フィールドワークで作成した地図「鎌ケ谷図屏風(びょうぶ)」、高齢者世帯の買い物難民調査などが紹介された。(保母哲)
同大と鎌ケ谷市は二〇二一年十二月、包括協定を締結している。今回初となるプロモーションは十一、十二両日に開催され、八つのゼミと一つの学生団体が参加。学生たちは市内で各種の調査を進めてきた。
プロジェクションマッピングに携わったのは六人。「和」をイメージした三分二十秒の映像を制作した。和模様のほか、市の花であるキキョウ、市マスコットキャラクター「かまたん」、市内から眺めた富士山、主屋などが国有形文化財の渋谷家住宅などを色鮮やかに、音楽を交えながら公民館の壁面高さ約五メートル、幅約十七メートルに映し出した。
リーダーの二年桑田拓音(たくと)さん(20)は「おくゆかしく美しい和を演出するとともに、鎌ケ谷らしさと楽しさの要素を入れようと話し合った」と説明する。
鎌ケ谷図屏風は、京都を描いた「洛中洛外図屏風」をモデルに、鎌ケ谷大仏、ファイターズ鎌ケ谷スタジアムといった市内の名所をイラストで地図化。学生が発見したテーマを基にした「主観地図プロジェクト」とし、A1サイズの絵四点で構成した。
買い物調査では、緯度と経度からコミュニティーバスの停留所の位置を割り出し、スーパーとコンビニの位置データを重ね合わせた。この結果、市北部や東部の地域で「買い物難民が発生している可能性がある」とした。
市郷土資料館所蔵の白黒写真を、人工知能(AI)でカラー化したのは「カラーでよみがえる 明治・大正・昭和の鎌ケ谷」。色調が不明の部分は、学生が関係者に聞き取るなどして復元させた。
こうした学生たちの取り組みが一堂に披露され、政策情報学部の朽木量学部長は「現場に足を運び、地域の皆さんの声を聞きながら研究し、成果を見てもらうことは意義がある」と話している。
2023年3月17日 東京新聞朝刊千葉版
https://www.tokyo-np.co.jp/article/238530