2024.01.05

地域と交流生み出すために
企業や大学が未来考えるシンポ

◆みなとみらい着工40年
 横浜市のみなとみらい21地区(MM21)の事業着工から40年を迎えた8日、MM21の未来を描くシンポジウムが神奈川大みなとみらいキャンパスであった。進出企業などの代表者の話に約200人が聴き入った。

 MM21に進出した企業や大学が地域とどう交流していくかをテーマに、5人によるトークセッションが行われた=写真。進行役の三菱地所の竹田徹横浜支店長は「ここの計画は高いビルが並ぶ前提。平屋だったり緑に囲まれていたりで人が交わりやすいところと違い、人工的に交流の場をつくらないと難しい」と指摘した。

 京セラの仲川彰一研究開発本部長は「ビルにオープンな場所をつくり、イベントで小さな交わりをつくっている。通勤や昼休み、アフター5に人が自然と交わる空間ができると良い」と語った。2年前にみなとみらいキャンパスを開設した神奈川大の行本勢基社会連携センター副所長は「学生と居住者の交流が課題。MM21周辺の昔からの地域の魅力を、学生の目線で発見し、PRする学びをしている」と紹介した。

 大小さまざまな音楽施設があるのも地区の特徴。横浜みなとみらいホールの新井鷗子館長は「音楽ホールがあることで、食や人材を育てる施設など、付属的な施設がたくさんできていくのがまちづくりの理想的な形」と強調した。都市再生機構(UR)でMM21の事業に携わっていた横浜都市みらいの椿真吾社長は「当時からは想像がつかないような多様な施設や人が集まっている。それぞれが考えてくださればどんどん良いまちになる」と話した。(神谷円香)

2023年11月9日 東京新聞朝刊横神版

https://www.tokyo-np.co.jp/article/288937